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人生を変える2年間、最高の機会に

  • 井上 英之
  • 井上 英之
  • 2012年度(第1期生)

Profile

所属先
應義塾大学SFC研究所上席所員/INNO-Lab International 共同代表(2015年4月〜9月)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特別招聘准教授(2015年10月〜)
最終学歴
米国ジョージワシントン大学修士号
(国際関係学)
派遣先
【1年目】スタンフォード大学US-アジアテクノロジーマネジメントセンター
【2年目】クレアモント大学院大学ドラッカースクールオブマネジメント
派遣期間
2012年10月〜2014年10月
著作
(監訳)『世界を変える人たち―社会起業家たちの勇気とアイデアの力
(監修、監訳)『社会起業家になりたいと思ったら読む本 未来に何ができるのか、いまなぜ必要なのか
LAの日系人ミュージアムにて
LAの日系人ミュージアムにて
セルフマネジメントの授業風景
セルフマネジメントの授業風景
Q1
今回の研究テーマを、ご紹介ください。

社会にコレクティブ(集合的)なインパクトを生み出すための、手法やリーダーシップについての研究をしています。これまで、社会起業やソーシャルイノベーションと呼ばれる分野は、ビジネススクールよりの経営手法や考え方の社会セクターへの適用が主でした。今、その範囲を広げて、ロジックだけではなく、人の中にある感情や体感、無意識に取っている行動パターンなどに、どうアクセスして、多くの人たちの自分自身の手による社会や地域の変革を生み出して行くかが、重要になっています。優れたリーダーに委ねる変革から、個々が本来もっている可能性の発揮にシフトしようとしています。

Q2
この留学で、主にどのようなことを行ってこられたのか、簡単にお答えください。

前半となる1年目は、スタンフォード大学に在籍して、世界のソーシャルイノベーションのフロンティアを広げている、テクノロジーやデザイン分野も含めた研究者や実務家と交流。同時に、「マインドフルネス」と呼ばれる、人間の意識・無意識を合わせた総合的なあり方や変容を対象にしている分野に出合い、ソーシャルイノベーションへの活用を研究しました。この分野は、スタンフォード大学を始め、シリコンバレーの企業やビジネスパーソンの中でも、静かで強い潮流となっています。
2年目は、さらにこの分野を探求するため、同じカリフォルニア州クレアモントにある、ドラッカー・スクール・オブ・マネジメントに移籍しています。マインドフルネスを含む、セルフマネジメントという分野の研究と実践を、担当教授である、この分野の権威ジェレミー・ハンター教授と行っています。

Q3
国際フェローシップについての評価

まさに、ライフチェンジングな2年間を頂き、非常に感謝しています。自分のキャリアの中で、目の前のことを追いかけるだけでなく、根底にあった問題意識に、より幅広い視点からチャレンジし、形にする。まだ日本でも世界でもこれから開拓しようとしている分野にコミットする、最高の機会となっています。自由度が高い分、自分という個人の信頼で、現地で関係性を創り、次の展開を切り開く必要があり、世界に生きる力を培っている実感があります。また、日本財団内にあるさまざまなリソースやネットワーク、スタッフの方との恊働の可能性も見えて、これから、ますます楽しみです。

Q4
日本に戻ってきてから、この留学の成果を、
どのように生かそうとお考えか、お答えください。

これまで以上に、深いシステムからの変更が必要な時代になっています。今まで、無感覚に従って来た無意識のパターンではない、行動の変容や、意思決定をそれぞれの個人やグループ、組織や社会が、どうしたらポジティブな形で実現ができるのか。マインドフルネスやセルフマネジメント研究の源流には、仏教など東洋的な要素も多く含まれています。渡米以前に、自分が取り組んできた、社会起業やソーシャルイノベーションの経営的な側面に加え、これからの、新しいものごとの「変え方」を実現する、コレクティブなリーダーシップやマネジメントの研究と実践を、帰国後に取り組んで行きたいと思います。その際、日本やアジアにある価値観ややり方に、世界に伝えるべき重要なヒントがあると考えています。