TOP / Activities / 白澤 麻弓

世界最大の障害学生支援体制を体験

  • 白澤 麻弓
  • 白澤 麻弓
  • 2013年度(第2期生)

Profile

所属先
筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 准教授
最終学歴
筑波大学 博士課程 心身障害学研究科
派遣先
ロチェスター工科大学
派遣期間
2013年9月〜2014年8月
著書
(共著)『大学ノートテイク入門
(共著)『聴覚障害学生サポートガイドブック
NTID校舎にて
NTID校舎にて
ロチェスター工科大学で行われたパーティーでの一コマ
ロチェスター工科大学で行われたパーティーでの一コマ
Q1
今回の研究テーマを、ご紹介ください。

学生時代から20年間、大学等の高等教育機関で学ぶ聴覚障害学生への支援に携わってきていて、留学先でも日本における聴覚障害学生支援の体制をいかに向上させていくかについて調査・研究をしています。
日本では、昨年6月に「障害者差別解消法」が制定され、今年1月には関係者の悲願でもあった国連「障害者の権利条約」が批准されました。今後、さまざまな場面で障害者の社会参加に必要な施策が展開されていくことになると思いますが、日本の中にはまだそのノウハウが十分にないのが現状です。国全体が動き出した今だからこそ、これからの10年、20年を見越して発言できる存在が必要!と思い、留学を決意しました。

Q2
この留学で、主にどのようなことを行ってこられたのか、簡単にお答えください。

アメリカのロチェスター工科大学を中心に、学内の障害学生に対する支援体制や手話通訳者養成プログラムの詳細について調査を行っています。ロチェスター工科大学は、聴覚障害学生を1300人以上受け入れている大学で、世界でも最大の障害学生支援体制を持っている大学です。100名以上の手話通訳者が雇用され、日々授業の中での支援が行われているのですが、この中で特に支援の質を高めるための方策や大学としてのバックアップ体制について調査をしています。また、全米各地で行われるカンファレンスに参加したり、3月後半からは、ボストンのノースイースタン大学、ワシントンD.C.にあるギャローデット大学などにも調査に行かせていただく予定です。

Q3
国際フェローシップについての評価

広く公益に資するテーマを募集しているプログラムで、これほど充実した支援のあるものは他にないのではと思います。私自身は本務の都合で1年間しか海外に出ることはできないのですが、採用後の説明会で、できれば2年間かけて本格的に学習してきて欲しいと言っていただいたときには、とてもありがたい思いでその言葉を受け止めました。同時に、今後のアジアをリードしていける人材を育てたいのだという思いが伝わってきて、とても感激したのを覚えています。私自身にその力量があるかというと自信はないですが、今後応募される方々にも、ぜひ、これからの日本を作っていくひとりになるという気概を持って望んでいただけると嬉しいです。

Q4
日本に戻ってきてから、この留学の成果を、
どのように生かそうとお考えか、お答えください。

現任校では、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の事務局長を担当していて、全国の大学とともに聴覚障害学生支援体制の向上に向けた取り組みを行っています。
帰国後は、日本学生支援機構や文部科学省の協力も得ながら、こうしたネットワークを通じてシンポジウムやワークショップを開催し、留学で得た数多くのノウハウを伝えていければと思っています。特に、今日本の中で壁になっている専門分野での聴覚障害学生支援や大学への手話通訳導入については、米国の大学の取り組みを見てきて、まだまだできることがたくさんあることがわかりました。これらの知識を活かし、専門分野で存分に学習できる大学を日本中に作り上げていくのが当面の目標です。